生誕110年 林芙美子展 久末隆彦
北九州市立文学館で「生誕110年 林芙美子展」が4月20日(土)から開催されています。
「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」の詩があまりにも有名です。
1903(明治36)年下関生まれとされていましたが、その後の調査により門司・小森江で生まれたという説が通説となっているそうです。
1910(明治43)年1月に父親が芸者を同居させたため、母親は芙美子を連れて当時住んでいた若松の家を出、長崎に移りました。
ちなみに杉田久女が小倉中学校(現小倉高校)図画教諭を務める杉田宇内と結婚し、小倉に移り住んだのが1909(明治42)年8月とされており、このあたりの人物往来は実に興味深いところです。
林芙美子展は6月9日(日)まで。この間多彩なイベントが予定されています。詳しくは文学館のホームページをご覧ください。
http://www.kitakyushucity-bungakukan.jp/sub-tokubetu/tokubetu-index.html
芙美子展を見て、いちばん驚いたのはその文筆活動のほか、絵を描いていたことです。『絵を描くことは私の仕事の二番目で、(略)マチスやモジニアリが好き・・』というだけあって、展示されていた絵もすばらしいです。
文学館では、4月から「文学館友の会」を発足させました。年間パスポートのほか、特別企画展開会式の招待や特別企画展図録の進呈など会員特典も充実しています。郷土が生んだ作家林芙美子展を機に文学館に足を運ばれてはいかがでしょうか。
花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり 雲も光るなり